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未プレイの方に知ってもらいたいドラクエ10の開発コンセプト CEDEC2013藤澤仁D講演その3

2013年8月21日(水)「日本人のための MMORPGの開発」 ~「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」の挑戦~より

http://cedec.cesa.or.jp/2013/program/GD/10140.html

以下、ドラゴンクエスト10ver1.5までのディレクターを担当した藤澤仁氏による講演記録です。

その1 ドラゴンクエスト8・9・10それぞれの挑戦

その2 MMORPGの普及を妨げる「お約束」「セオリー」「常識」という名の魔物

 

 

 

「私はオンラインゲームはやらないんです」という声

 

では、じゃあなんでドラゴンクエスト10で遊ばないのかという話を(製作)発表後にいろんな方に聞く機会があったので、その言葉を少し集めて参りました。「Wiiがないんだよね……」「月額課金がなあ……」ええとちょっと赤い字で書いてみたんですけれども「私はオンラインゲームはやらないんです」こういう言葉をよく言われました。

 

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Wiiがないという環境的な制約

 

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ひとつずつどういうことかをお話ししていきたいと思うんですけれども、今の3つの言葉がまさにオンラインゲームを忌避する3つの制約と捉えていまして、まずWiiがないんだよねというのを私たちは環境的な制約と捉えています。ただですね、任天堂さんのために弁護しておかなくてはいけないんですが、Wii自体は非常に普及したハードです。ただ、私たちの開発の手離れが遅れてしまったこともあってWii自体を手放してしまったであるとか、あるいはこれもよく聞いたんですけれどもWiiってリビングに設置されているんですよね。なのでガッツリとMMORPGを遊ぶ環境にはWiiがないというようなことも、よくお話としていただきました。

こちらですが対応策といたしましては、ドラゴンクエストシリーズは理念としてなるべくプレイヤーの方にハード的な負担をかけないということを思っていますので、そちらまだ引き続き実行中でして、プレイヤーの方がより触りやすい環境へソフトを提供していくということで、現在Windows版の発売を2013年9月26日と予定しておりまして、今週末までまだβテストを実施中です。また、ベンチマークソフトも配布しておりますし、βテストが終った後もですね、先行体験版という無料で実際に製品の方へデータ引き継ぎが可能なものの準備もしてありますので、もしも今日この話を聞いてまだやってない方で興味を持っていただいた方がいたら、ぜひ試していただければなと思います。

 

 

 

月額課金とキッズタイムという金銭的な制約

 

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続きまして月額課金がなぁというのはそのままなんですが、こちらは金銭的な制約として捉えていまして、月額課金でやる以上できることは限られているんですが、そのなかでも最大限の工夫ということで定額&割安の料金設定としまして。えー、現在のところオンラインゲームにお金を支払う仕組みというのは、従量制がいいのか定額制がいいのかというのはまだ議論が片付いていないことだと思います。これからもどんどん話し合っていかないといけないことだと思いますが、当時、世の中の風潮としては定額の方が安心であるという風潮があったなかで定額を採用するということにいたしました。また料金も、一般的に1200円から2000円程度月額かかるものが、ドラゴンクエスト10は月額1000円としております。こちらはWiiポイントの購入単位の一番最低額ということで、月額1000円という設定としています。

またですね、キッズタイムというものを導入していまして、月額の課金がなくても平日の16時~18時、あるいは休日の13時~15時の間は無料で遊ぶことができるというようなところも設けていまして、実際おこづかいの融通がきかないお子さんですとかそういった方でも楽しんでいただけるという配慮もしています。

 

 

 

今も一番悩んでいる心理的な制約

 

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ただ、以上のWiiの問題と月額課金の問題は今日のお話の大切な部分では無くてですね。今日一番お話ししなくてはいけないのは、ここなんです。「私はオンラインゲームはやらないんです」という言葉なんですが、これは制約の種類としては心理的制約というようにとらえておりまして、今も私を一番悩ませている言葉です。えー、仕事柄ですね、外でいろんな方とお話しする機会があるんですが「ドラゴンクエスト大好きなんですドラゴンクエスト9すれ違い通信1000人やりました」と言っていただいた後に、10どうですか? って聞くと「私はオンラインゲームはやらないんです」……ちょっと思考が止まっちゃうんですよね。あのー、あっそうですか、と言うしかないんですけれども。まぁただ、ちょっと食い下がるんです、それって何でやらないんですか? と聞くと、これを分解するとどういうことなのかということが、少し見えてきます。

 

 

 

ここを解決しないと日本人に向けたMMORPGなんて作れない

 

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えー、3点に分解しました。なんだか難しそうだしめんどくさそうだ、と。2点目は、人と一緒に遊びたくないんだ、と。さっきの話にもありましたけれども、そうだと思います。3つ目が、ゲームをやめられなくなる恐怖、というものがあります。これはですね、ネットとかでもよくネットゲームに依存した人を揶揄する言葉ってたくさんあるじゃないですか。「私が寝たらみんな死んじゃう」とか。なんかそういうですねぇ、ネットゲームに依存している人を揶揄する言葉って本当後を絶たなくて、そういったところが実際そうなるんじゃないかという恐怖心があるんじゃないかという言葉もよく聞きます。

この3つなんですけれども、簡単に言ってMMOPRGに対する世間の悪い印象そのものだなと思うんですね。なので、ここを解決しないことには、到底日本人に向けたMMORPGなんて作れないというように考えました。

 

 

 

この言葉をそのままドラクエ10の開発コンセプトとしています

 

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なのでこの心理的制約の攻略として、難しそうめんどくさそうと感じる方には、いつものドラクエと同じですと言えるゲームにしましょうと。人と一緒に遊びたくないという方のためには、じゃあひとりでも遊べるようにしましょうと。ゲームをやめられなくなるという恐怖を感じる方にとっては、では依存化しないゲームデザインにしましょう。ということを方針としまして、この3つはすなわち、これが日本人のためのMMORPGを作るために必要なことであって、この言葉をそのままドラクエ10の開発コンセプトとしています。

 

 

 

画面に物を置かないという方針を貫いた

 

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では、この開発コンセプトに従ってゲーム作りをしていったという例を見ていただきたいと思います。開発コンセプトを実現するためのゲームデザインとしまして、まずですね、「いつものドラクエと同じ」を実現するために、画面上の情報を最低限にしようという方針を立てました。みなさんちょっとオンラインゲームをやったことがある方は、頭に思い浮かべていただきたいんですが、オンラインゲームの画面て文字とかアイコンとかすごいたくさんわーってあるじゃないですか。そういうものに比べて、ドラゴンクエスト10のゲーム画面はこうなっています。これはバトルをしているでもコマンドを開いているでもない通常に移動しているだけの画面ですけれども、画面に物を置かないという方針を貫いた結果、ここまで画面はシンプルになりました。

 

 

 

あっいつものドラクエと同じだな、というゲーム画面

 

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さらにコマンドメニューもですね、ドラクエのイメージをしていただくと分かると思うんですけれども、メニューボタンを押すと……ピッ、と鳴ってこうなります。この4×2のいつものメニューが出るというところも、こだわって作りました。こちら堀井さんがかなりこうして欲しいということでこだわった部分でもあります。こちらですね、実際に動いているところを見ていただこうと思いますので、こちらをご覧いただきたいと思います。本当に簡単なんですけれども、どうぐから、つかうもの、今回上やくそうというのを選んで、つかう。たぶんおそらく本当に想像したとおりの絵だと思うんですけれども……

(動画上映)

はい、ドラゴンクエスト10のメニューを使う画面の例として見ていただきました。おそらく、あっいつものドラクエと同じだなということは感じていただけたかなと思います。

 

 

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続きまして、バトル中の画面につきましてもお話ししたいと思います。こちらまずですね、ひとつ動画を見ていただきたいと思うんですけれども、この動画はドラゴンクエスト10の動画ではありません。えー、まぁドラゴンクエスト10の動画なんですけど、ドラゴンクエスト10を作り始めるにあたって最終的にこういうバトル画面になれたらいいよねと目指して作ったプリプロ中に作った画面です。こちら一回ですね、プレイヤーの方にはファンイベントで見ていただいたことがあるんですけれども、これあのリアルタイムで動いてないです、ムービーです。この当時からすでに画面上の情報は最小限にしましょうという方針は立ててたんですね。立ててた上で、これでもけっこう頑張ってるほうかなぁとは思うんですけれども、これぐらいの情報は出してました。これドラクエ5の双子の女の子のほうなんですけれども。

(動画上映)

 

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画面の左下にはメッセージログが出ていて、メニューは左上に出て、まぁちょっと状況的にこの状況で消えてるんですけれども、さっきまでは画面の右上にマップも出ていました。こちらがドラゴンクエスト10のプリプロ中の動画です。

 

 

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これが、では実際にドラゴンクエスト10の製品の方ではいまどういう風になっているかというのを見比べとして動画で見ていただきたいと思います。

(動画上映)

さっきのはでっかい敵が相手でボス戦だったのでちょっとバトルの状況が違うので一概には言えないんですが、見ての通りですね、メニューは本当に少ないです。そのとき出ている必要最低限のものが左下に出るだけで、基本的に画面に出ている情報は無いというなかでのバトルとなっています。遊んだことある方には分かるかもしれませんけれども、レベル70でスライムタワーというのは相当いじめなんですけれども、だいたいこんな感じでバトルは進行していきます。

 

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はい、ええと動画だと見比べがしづらいと思うので、静止画でもう1回見ようと思うんですけれども、プリプロの時にはたとえば製品版には無い情報として、メッセージログはありませんし、右上の地図もありませんし。いまこのタバサっていうキャラクターが呪文詠唱中に詠唱完了するまでのタイムゲージが出てるんですね、こういう物もありませんし。プレイヤー側のキャラクターの頭上に出ている名前もありません。ほとんどの情報が出ていないです。

 

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実際の静止画で見比べるとこうなんですけれども、こっちは見ていただくと分かると思うんですけれども、情報量としては最終的に相当削減をしてなるべくその3Dの画面を2Dの画面が隠さない、というところをこだわってシンプルにしています。続けてみるとおにこんぼうがけっこう変わったことが分かったりするんですけれども(笑)

 

 

 

エンディングまで見て終わりっていう遊び方を肯定

 

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はい、続いていつものドラクエと同じという点、もう一点ありまして。エンディングまで遊んで終わりでいいという方針を立てています。これはどういうことかといいますと、一番最初に公開したバージョン1.0から、エンディングを含む全シナリオを実装。これもしもオンラインゲームをあんまり詳しくない方が聞いたら当たり前でしょって思うかもしれないんですけれども。多くのオンラインゲームはコンテンツを後から足していくものですので、ストーリーも足していって、ある一定のところに辿り着いたところで物語的な大団円を迎えるというような手法が一般的なんですが、これはあえてそうせず一番最初のバージョンから全シナリオを搭載しました。これはもう意図としては、先ほど読書的な楽しみって言いましたけれども、1人で遊んでエンディングまで見て終わりっていう遊び方を肯定したかったんですね。オンラインゲームだからエンディングはちょっと待ってと言いたくなかった、というのがあって、最初から全シナリオを実装するという判断をいたしました。

 

 

 

「ひとりでも遊べる」を実現するためのサポート仲間システム

 

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では、開発コンセプトの2点目「ひとりでも遊べる」を実現するためにやったことですけれども、なんでひとりで遊べないかというとオンラインゲームの多くはバトルが他のプレイヤーがいないとできないんですね。なので、ひとりでもAIで動作するNPCをつれてフルパーティー、ドラゴンクエスト10のフルパーティーは4人パーティーなので「サポート仲間」というAIで動作するNPCを3人分仲間にできるような仕組みになっています。

言っちゃいましたけど、サポート仲間というもので、これはそのとき遊んでいない他のプレイヤーのキャラをAI動作するNPCとして仲間にすることができるシステムです。こちらも見ていただくと早いと思うので動画を用意して参りました。

(動画上映)

ドラゴンクエストシリーズと言えばルイーダの酒場で仲間を探すというのがお馴染みだと思いますけれども、ここでは冒険者の酒場という名前で他のプレイヤーが登録している自分のキャラクターをこういう形でNPCとして借りることができます。いま1人僧侶を借りました。僧侶を借りましたので、では外に出てバトルをしてみたいと思います。先ほどは1人しか借りてませんでしたけれどもさらに2人借りまして、いま画面右下のほうにある顔の数を数えていただくと分かると思いますけれども現在4人パーティーの構成になっています。実際に人間が操作しているのは自分だけで、ほかの3人についてはすべてAIで動作するNPCです。

 

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AIに関してはですね、いつものドラクエと違って戦闘中の移動というものもありますのでかなり処理が複雑化しているんですけれども、バージョンを重ねるごとにだんだんチューニングが進んで参りまして、徐々に徐々にですが引き続き今もやっていますが人間らしい動きをするようになってきて、ひとりでも他のプレイヤーと遊んでいるような感覚で遊ぶことができるようになっています。はい、サポート仲間の動画は以上となります。

 

 

 

ゲームをしていない間にもメリットがある元気玉システム

 

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では、コンセプト3点目です。依存化しないゲームデザインについてこのようなことを考えました。まず最初にですね、ゲームをしていない間にもメリットが生じる仕組みを作ろうと考えました。特にこの依存化については堀井雄二さんも気にされていた部分で、やっぱり当時社会的にゲームに依存しすぎるということが問題になっていた時代でしたので、そういうプレイヤーをドラクエでは生みたくないと言うことを言ってらっしゃいまして。

なんとかそれを実現するために何ができるかということを考えて出てきたアイディアが、先ほどのサポート仲間。これ反対から見た側なんですけれども、実際に自分のキャラクターをサポート仲間として預けることによって、人に借りてもらうことで経験値やゴールドを稼ぐことができます。なので遊んでいなくても誰かに自分のキャラを育ててもらえるわけですから、ぜんぜん気にしないでゲームを休むことができる、というのがさっきのサポート仲間のもうひとつの側面としてあります。

それとこれもかなり特徴的なシステムではあるんですが、「元気玉」というのがありまして。遊んでいない時間、ログアウトしている時間ですね、これを元気チャージという言い方をしていまして。元気チャージを貯めると元気玉というアイテムと交換をすることができます。この元気玉は使うと経験値とゴールドが30分の間2倍になりますので、たとえば平日は遊べない会社員の方が平日は元気チャージを貯めておいて、元気玉をもらって休日に一気にレベル上げをするというようなことができるシステムになっているので、ゲームをしていない間にもなにがしかメリットはあるという状況にしています。

 

 

 

レベル差がついても一緒に遊べる、毎日遊ばなくてもいい

 

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続いて多くのオンラインゲームが抱えている問題ではあるんですけれども、ドラクエ10では遊ぶことが義務化しないゲームにしようということをこだわっています。たとえば、レベル差がついても一緒に遊べる仕組みになっています。オンラインゲーム、特にMMORPGに詳しい方はご存じかもしれませんが、オンラインゲームの……必ずではないですが経験値を求める方式っていうのは、敵と自分のレベルの相対差から経験値を求めるという仕組みのものが多いんですね。ですがドラゴンクエスト10ではそうではなくて、モンスターが持っている経験値は絶対値としています。絶対値として、それをレベルに応じた経験値として分配するということにしてますので、まぁもちろんレベルが高い人と低い人が組むとレベルが低い人の方がもらえる経験値は少ないんですがそれでも一緒に遊べないことはないというあたりをついています。

また、最近のソーシャルゲームなどではこういう仕組みを採用されているところも多いかなぁと思うんですが、毎日ログインしてもらうことによってゲーム離れを防ぐというところから、毎日遊ぶと倍率が上がっていくというような仕組みは一切導入しないことにしております。

 

 

 

懸念点を消すだけではゲームは面白くならない

 

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ただ、ここまで話してきたゲームコンセプトなんですが、これらって「懸念点を消しましょう」っていう話ですよね。それじゃゲーム面白くならないですよね。と思うので、じゃあまず懸念点は消した上でどうやってゲームを面白くしていくかという話をしていきたいと思います。

オンラインゲームはそもそも面白いものだと感じるんですね。なので、そのオンラインゲームの楽しさを、懸念点を消した上でちゃんと足していきましょうと思いました。そのまず第1点目として、これオンラインゲームのひとつのセオリーというか、よく取られている常套手段なんですが、自キャラが人間以外の種族です。これはどういうことか動画を見ていただきたいと思います。

(動画上映)

こちらはですね、過去に作ったPVの映像を抜いてきたものですので音声とかは無いんですけれども、今のオーガ・ウェディ・エルフという形でですね、人間以外に目覚めし五つの種族ですから、5種類の種族がいましてそこでゲームをするということになっています。

 

 

 

自分は人間だというドラクエらしさも維持する

 

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えー、既にですね、矛盾を感じてらっしゃる方がいるかもしれませんが、いつものドラクエといっしょじゃないじゃんと、思うじゃないですか。なので、こういったところ、いつものドラクエと違うというところについては、徹底的に議論をしました。

まず最初にですね、自分が主張したことですけれども「ドラクエの主人公は人間であるべき」と猛反対しました。ですがこれに関しては、堀井さんとプロデューサーの強い意向でですね、屈服……あっ、すいません、屈服って言っちゃいけないって言われたんで、納得をしましてですね。

 

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じゃどうしようかと考えまして、主人公は「人間」と「他種族の」両方の姿を持って、そのことがストーリーに深く関わってくることによって解決をしようと。

 

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これによってオンラインゲームならではのいろんな種族がいる世界観を描きつつ、自分は人間だというドラクエらしさも維持するというような対応を考えました。

 

 

 

状況が見た目で把握できる「移動干渉バトル」

 

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では続いて、オンラインゲームの楽しさをプラスの2点目です。こちらがたぶん一番大きいとは思うんですけれども、バトルがリアルタイム進行しているというのは、先ほど見ていただいたとおりです。当然私は「従来のコマンドバトルであるべき」と猛反対しました。これはですね、堀井さんとプロデューサーの強い意志で……納得をしまして。

 

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えーとですね(笑)じゃ、その代わりに何をしようかというと、リアルタイムで動いているバトルというのは、誰が何をしたかという状況の把握がとても難しいんですね。結果的に誰が何をやったかということが残っているテキストから情報を取ることが多くなってきます。テキスト依存型のゲームになることが多いので、そうではなくて、実際に目の前で展開されていることが見た目で把握できるバトルにしたいと思いました。

 

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そこから出てきたのが「移動干渉バトル」というものでして、これが何かと言いますとこちらも動画でご覧いただきたいと思います。

(動画上映)

この移動干渉というのは、お客さんのプレイヤーのみなさんの間では相撲とか押し合いとかそんな言葉で言われたりするんですけれども、キャラクターがモンスターを押すことができるんですね。体で止めることができる。なので今、他のプレイヤーが自分のキャラのところにモンスターが来ないように守っているのが見て分かっていただけるでしょうか。

 

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これですね、もしオンラインゲームのシステム構築をしたことがある方だったら分かるかもしれないんですが、クライアントサーバーで動いているゲームって……トリックで動いているじゃないですか。トリックで動いているなかでトリックでは無い動作をさせなければいけないということが、技術的にものすごく難易度が高くてですね、ドラゴンクエスト10のなかでも非常に苦労をしながら実現したシステムのひとつがこの移動干渉というシステムです。

 

 

 

「おうえん」「ジャンプ」最も単純なコミュニケーション手段

 

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では、続きましてプラスの3つ目です。とはいえオンラインゲームですので、人とのコミュニケーションや他のプレイヤーがいるんだからこその楽しさというものをちゃんと実現しましょうというように考えました。ただ、まったくそういったゲーム内で他のプレイヤーとの関わりをしたくないという方が多いなかで、まず考えたことはキーボードなしでもちゃんとコミュニケーションできる配慮をしました。

それはどういうことかと言いますと、ドラゴンクエスト10には「おうえん」コマンドというものがありまして、他のプレイヤーがバトルしているプレイヤーをおうえんすることによって、そのプレイヤーのテンションを上げることができるんですね。テンションもご存じない方のためにご説明しますと、ちょっと一瞬強くなることができたりとか。

「ジャンプ」っていうのはワンボタンでジャンプするだけのもの※なんですけれども、これによってじゃあ行こうよ~ってなったときにジャンプすることによって、いちいちOKとかハイとか言わなくても、ちゃんと聞いてるよっていう意志の疎通ができたりと。そういう簡単なコミュニケーションも取れるようになっています。

 

※関連:MMORPGでもジャンプ操作は絶対必要なんです! - CP安西 崇氏も招いた4gamersインタビューver2.1

 

 

 

「安心・安全」に徹底的にこだわったチャットシステム

 

また、どうしても言葉を使わなくてはいけない場合には「よく使うセリフ」というものをコマンドマクロのようなものとして設定をして、そこから呼び出すことも可能となっています。

実際チャットはできるんですけれども、ここも「ただできるだけ」ではなくて、特にドラゴンクエストは小学生の方ですとかそういったお客さんも遊んでいますので、そういうなかでとにかく「安心であること・安全であること」には徹底的にこだわりました。ですので相互認証が無い状態での1対1チャットの禁止と。どういうことかと言いますと、えー、オンラインゲームではtelとかwhisperとかそういうコマンドでよく言われるんですけれども、他のプレイヤーと1対1で話すことがわりと容易なんですね※。ですけれどもドラゴンクエスト10では、それができたほうが便利なことは間違いないんですが、あえて使いづらくしています。フレンドという関係になっていればそれが可能なんですけれども、フレンド登録をされていないキャラクターとは基本的に1対1のチャットはできないという制限を付けています。

 

※関連:誰にでも手軽に話しかけられ”ない”という革新 ドラクエ10の地味な良い仕様2

 

 

 

一緒に遊ぶ機会を失わせない、サーバー移動自由・世界はひとつ

 

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さらにですね、ここまではオンラインゲームの要素をプラスですが、さらに従来のオンラインゲームを越えるためのさらなる「遊びやすさ」についても追求をしました。こちらは「一緒に遊ぶ機会を失わせない配慮」というものです。これはうちの齊藤プロデューサーがですね、最初にミーティングをした初日に言ってたことなんですけれども、多くのオンラインゲームはサーバーが違うとその人と一緒に遊べないんですね※。なので、ドラゴンクエスト10はサーバーの移動を自由にするということを最初に決めました。なので、たとえば後から始めた人が違うサーバーに登録したとしても一緒に遊ぶことがまったく問題なくできると。一緒に遊ぶ機会を失わせないという配慮をするということに決めました。

さらに言いますと、これはゲームデザイン上の大変な部分でもあったんですが、世界はひとつということで、別サーバーにいても一緒に遊べます。パーティーが分断されることも無ければ別サーバーにいるキャラクターとのチャットもできます。こちら、今年のCEDECのですね、アワードのネットワーク部門で、世界がひとつであるということについてノミネートをいただいたぐらい技術的には大変な部分だったんですが、そういう形で評価をいただけたことは非常に良かったなと思います。

 

※関連 サーバー移動自由、全キャラワールド共通 ドラクエ10の地味な良い仕様1

 

 

 

 

ついにドラゴンクエスト10が完成!

 

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限られた時間のなかですので、いろいろお話をしましたがここまでといたしまして、様々な願いを込めてついにドラゴンクエスト10は完成いたしました。そしてですね、早いものでもう1年……今月(2013年8月)の2日で1年が経過しましたのでドラゴンクエスト10の発売後の話についても少し触れておきたいと思います。

2012年8月2日にドラゴンクエスト10は発売されまして、そのころによくいただいた言葉としては「思った以上にドラクエだった」あるいは「本当にひとりで遊べる」「短時間しか遊べない社会人でも楽しめる」と好意的なご意見をいただくことができました。

 

 

 

ドラゴンクエスト10発売後の話

 

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つづきます。

 

その4 失敗から学んだ情報公開に掛けるパワー配分の重要性 CEDEC2013藤澤仁D講演その4

 

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COMMENT

こうゆう開発のコンセプトやゲームシステムは評価しますが、最近のバージョンアップ内容の内容の薄さには疑念をもたざるをえないですけどね。

| q | 2014/06/02 10:11 | URL | ≫ EDIT

まとめお疲れ様です。
動画を見返せないことを残念に思っていたのでとても助かります

細やかながら脱字報告で協力です
>多くのオンライゲームはサーバーが違うとその人と一緒に遊べないんですね

| | 2014/06/02 14:09 | URL |

長ったらしい割には言い訳くさいよな
コンセプト正反対だ
実際カジノは回収率低すぎて終わってるし
レベル上げしなくていいとか大嘘もいいとこ

| | 2014/09/23 22:04 | URL |











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